古代の吉備について是非とも知って頂きたい遺跡があります
- 楯築遺跡 (弧帯文(旋帯文)石)
- 造山古墳
の2つです。
あと・・・、古代吉備を知るうえで大切なのが当時の”海岸線”なんです(今とはまったく違います!)。
”なぜここに?”を考えるとき海との距離感はかかせませんよね。このあたりは後日、コラムで紹介したいと思います。
【楯築遺跡】

旋帯文石(複製) 岡山県立博物館蔵・・・本物は現地収蔵庫に
「弥生時代の墓で大きな石が並んでいて不思議な遺跡」・・くらいの認識からか、見学に来られても、列石の前で写真を撮って終わり・・
の方が多いようです。そこにある収蔵庫には”唯一無二”の謎の文様が施された弧帯文(旋帯文)石の“本物”があり、窓から見えるのに・・・、
いいですか?”本物”ですよ!本物は博物館、複製が現地のように思われがちですが、ここでは逆で本物が現地、博物館で展示されているのが複製です。
弥生時代から2000年近く、地元の方々に大切に守り継がれ現在もゆかりの地にあるなんで奇跡です(あまりにも尊すぎる)!
この遺跡、知れば知るほどその凄さ、不思議さが増してきます。この墓の被葬者はどんな人だったんだろう? 突如現れた日本を代表するスーパマン??、そして、この特殊な墓や弧帯文石の意匠企画、空前規模の大葬祭・・・いったいどんなスーパープロデューサー、スーパーデザイナーがいたんだろう?と興味はつきません。 この時代、吉備で作られはじめた“特殊器台”がその後、円筒型埴輪となって古墳装飾のスタンダードになったことが知られています。吉備の独創性はしっかり後世にそして全国に伝わった訳です。それにしても弧帯文石の文様(特殊器台の文様に影響を与えたと思われます)には、どんな情念、思いがつまっているのでしょう??
※余談ですが・・・、当サイトのロゴマークの文様は特殊器台と弧帯文石からイメージを頂いたものです。
お勧め図書
1)福本 明. 吉備の弥生大首長墓(シリーズ「遺跡を学ぶ」034). 新泉社,2007,93p.
2)宇垣 匡雅.楯築遺跡(新日本の遺跡4).同成社,2024,124p.
【造山古墳】
なぜ“全国4位”の超巨大古墳が吉備に・・・は最大の謎です。被葬者はどんな人だったのでしょうか? 上位3つや下位近傍の古墳はほとんど天皇陵に比定されています。
天皇と同じくらい力を持った人が吉備に??
お勧め図書
1)西田和浩. 吉備の超巨大古墳 造山古墳群(シリーズ「遺跡を学ぶ」148). 新泉社,2020,93p.
